まずは基本データを取ります。
4弦の12フレットの弦高を測ります。
約3.3ミリ。
順に3弦、2弦、と測って・・・。
1弦が3.2ミリ。
かなり高めの弦高でしょうか。
次にネックの反りの状態をチェックします。
1フレットにカポを付けた状態で6弦12フレットを押え6フレットと4弦の隙間をフィラーゲージで計測。
約0.2ミリでした。
0.1ミリ以下にしたい所ですが、数値的には正常範囲だと思います。
続いてナット溝のチェックのため、1フレットと各弦の隙間を計測。
結果6弦が0.8ミリと、通常よりも0.2~0.3ミリ高めで他の弦は通常範囲でした。
この計測は弦高にも影響されるので、あくまで参考程度に。
次に各弦とも、3フレットを押えながら1フレットと弦の隙間をタッピングでチェック。
結果、各弦ともにナットの溝の深さは正常範囲。
気持ち6弦が高めという感じでした。

基本データとしてはここまでです。 
ここから調整作業に入ります。
まずはトラスロッドの調整からです。
作業のやり易さから、ネックを外して調整します。
まず初めに、ストレートエッジで再度ネックの反りの状態を視覚的にチェック。
6フレット辺りを頂点に、かなりの逆反り状態になっています。これは・・・。
ダイヤルゲージを6フレットの頂点にセットしてゼロリセット。これでトラスロッドレンチを回した結果、ネックがどれくらい動いたか、具体的数値でわかります。
どれくらいトラスロッドレンチを回したかが分かるように、ペンで軽くマーキングしておきます。
現状今のネックの状態は逆反りで、トラスロッドがかなり効いている状態なのですが、実際は弦を張ると順反りになるので、それを矯正するためにトラスロッドをさらに締めていきます。 しかし・・・
結果、レンチは殆ど動かず、完全に締め切った状態。
固着している様子も見られません。
初めのストレートエッジでのチェックやネックサイドの指板接着面のラインを見ても、かなりの逆反りで既にトラスロッドが効いている状態であり、もしかしたら回り切っている可能性もあると感じていたのですが、オーナー様からお預りする前の、点検の段階である程度は確認できたことだったと、反省です・・・。

反対側のネックサイド。
ネックグリップのスカンクラインがかすかに浮いているような箇所があり、その周囲の塗装が不自然な剥げ方をしている事に気付き、これはロッドの閉め過ぎでスカンクラインが浮いてきたので、その部分を塗装と一緒に削ったのではないかと・・・。
最初の観察力、洞察力の無さを痛感です・・・。
早速オーナーさんに連絡を入れ、状況を説明してサドル調整で弦高を下げることに快諾を頂きました。
少しずつ各弦ともサドルを下げつつ、ビリつき等がないかチェックしながら調整を繰り返し、ベストなポイントを探していきます。
ティルト機構が付いていたので、それと合わせて弦高を調整していきます。
結果的に半回転の締め込み。
ティルト機構のおかげで、弦のテンションが必要以上に下がってしまうのを防ぐことが出来ました。
これで弦高調整は終了です。
続いてノイズの問題に取り掛ります。
電気系統に弱い自分にとって、これがなかなかの難関・・・しかし、お預かりしている以上そうは言ってられません。
とにかくじっくりと、やれるだけの事はすべてやるつもりで取り掛ります。
まずは弦アースとジャックのアースをチェックすると正常なようなので、コントロールキャビティ内部のチェックです。
リード線が外れていたり、ハンダ不良はないか、電池は消耗していないか等ひとつひとつチェックです。
サーキットはどうも異常がないようなので、再度ブリッジアースとピックアップをチェックします。
まずはブリッジを外し、アースをチェックしたところ
特に問題はありません。
続いてピックアップを外したところ、底の銅板とキャビティ内がひどく汚れていました。
銅板には何かゼリー状?のようなものがこびりつき、キャビティ内も埃まみれの状態でした。
銅板とキャビティ内を丁寧に掃除しました。
リアのピックアップの銅板にハンダ付けされたアース線もやはり埃まみれでしたので、できるだけキレイにしておきます。
念のためにブリッジの裏側もキレイにします。
その後ブリッジとピックアップを取付け、一度アンプにつないだところ、ノイズが激減?とまではいきませんが、かなり減ったことを実感。
最後はジャックのハンダやリード線の状態をチェックし
サビが結構あるため#600
のサンドペーパーで軽くサビを落としておきます。
アルコールで中のサビをふき取り、キレイに。
その後ジャックを取付け、再度アンプにつなぐと
明らかにノイズが減ったような・・・ですが、いまひとつ
自信が持てず、後はオーナー様の判断に委ねるしかないといった感じです。
最終的な弦高は4弦で2.6ミリで
もとの弦高より0.7ミリ下がりました。

1弦は2.0ミリで、もとの弦高より1.2ミリ下がっています。
他の弦も3弦が0.2ミリ、2弦が0.5ミリ下がりました。
これ以上下げると1弦2弦のハイポジでビリつきが出始めるので、一旦とりあえずはこの辺りで落ち着くことにしました。
後日オーナー様にお引渡し・・・シールドをつないでアンプのスイッチを入れる瞬間までドキドキでしたが、オーナー様もノイズの減りを実感されたようで、ホッとひと安心。
弦高も特に問題なく、満足された様子でした。
後は実際にスタジオで使用された時にどうなるか・・・何か問題が発生しましたら、また診させて頂きます!

大変勉強になる一本でした。
ありがとうございました。

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