1弦2弦の2フレット3フレットを押えた時のビリつきが気になる、とのご依頼でした。

まずは、基本的なデータを取ります。
6弦から順に各弦の弦高を測っていきます。

6弦は約2.0ミリです。

1弦も2.0ミリでした。

他の弦もほぼ同じ弦高なので、通常のバランスと比較しますと、6弦側を低めにした設定か、1弦側を高めにした設定か、ということになるのですが、6弦のビリつきが気になるという事でしたので、6弦側の弦高を低めにした設定になっているようです。
次に、フィラーゲージで各弦の1フレットの弦高を測ります。
基準よりも若干低めですが、特に問題のないレベルだと思います。
弦の3フレットを押えて、1フレットと弦の隙間をチェックするやり方と合わせて、ナットの溝の深さの状態をチェックしていきます。
続いて、指板(ネック)の反りの状態をチェックします。
この状態で6弦の14フレットを押えながら、6フレットと弦の隙間をフィラーゲージで測ります。

隙間は約0.04ミリ以下でした。
ネックは、ほぼストレートな状態ですが、実質的には逆反り気味と言ってもいいかもしれません。
初めにオーナー様よりご指摘があったのですが、1弦と2弦の、1フレット2フレットの減りが激しく、溝が掘れたような状態になっていて、結果フレットの高さが不揃いとなり、これがビリつきの原因となります。
後は、実際に音を出しながら気になる箇所をチェックし、指板、フレットをいろいろな角度から観察して問題点を明らかにしていきます。
6弦のビリつきに加えて、4.5.6フレット辺りでの低音弦側のビリつきも若干気になります。
弦のテンションが弱め、低めの弦高、ストレートなネック、最終的にこのバランスをどう調整していくかが難しい所です。

まずはネックの反りをトラスロッドで調整してみます。
もう少しネックを順反りにしたいので、トラスロッドレンチを反時計回りに1/8回転程回します。
その都度、実際の音出しも含め 6弦6フレットの隙間と弦高を測り、何度か調整を繰り返していきます。
このダイヤルゲージで、6フレット付近のネックの動きが0.025ミリ単位でわかります。
結局音出しも含め、3回ほど調整して6フレットの隙間を0.1ミリとしました。もう少し順反りにしてもいいのですが、同時に弦高も上がってしまうので、とりあえずトラスロッド調整はここで終了しておきます。




9フレット以降は特に問題がないようなので、8フレットまでの間をすり合わせすることにします。
指板にマスキングテープを貼り、専用のヤスリでフレットのRを崩さないようにフレットの上面を慎重に削っていきます。
チューニング、音出し、すり合わせ、を何度か繰り返します。
この時点で1,2弦のローフレットのビリつきは解消されたのですが、他の弦が気になるので3~6フレットを気持ち多めにすり合わせしました。


フレットの山が平らに削れ、台形のようになってしまったのを専用のヤスリで再び山形に削っていきます。
山形に整形が終わったら、柔らかめのパッドに600番のサンドペーパーを巻き付け、フレット表面の傷を取ります。
次に800番、1000番、1200番で傷取りをし、最後は1500番を当てて終了です。

次に、粗目のスチールウールと0000番のスチールウールで
磨いていきます。
最後は金属磨き液で磨き、さらに銅磨きクロス等でツヤを出して終了です。
マスキングテープを剥がし、指板の汚れをふき取ったら最後にレモンオイルを塗ります。
すり合わせはこれで終了です。


この後、6弦のビリつきがやはり気になり、とりあえずピエゾピックアップの下に敷くシムを作ることにしました。

オリジナルのシムを取外し、そこから型を取りローズウッドの端材にケガきます。
あとは切り出してサンドペーパーで厚みを落としていきます。


6弦で0.3ミリ弦高が上がるように、シムの厚みを0.6ミリにしました。1弦側は弦高を上げたくないのでテーパーを付けてあります。


ピックアップサドルの下にオリジナルのシムと先程のシムを敷き、弦を張ってチューニングです。

6弦の弦高を測ります。
0.3ミリ上がって、想定通り2.5ミリちょうどになりました。


1弦の弦高を測ります。
初めのトラスロッド調整後、約2.2ミリでしたが、シムにテーパーを付けたので弦高はほとんど変化なしです。
エレアコとしてはもう少し弦高を低めにしたいところですが弾き心地は悪くなく、コードプレイ、リードプレイのどちらにも十分に対応してくれそうです。あとはオーナー様の判断にお任せです。


いろいろと試行錯誤の結果、最終的にはシムを外し、ネックをもう少し順反りにして6弦2.5ミリ、1弦2.2ミリの弦高に落ち着かせることになりました。
もともとがかなりストレートなネックで、順反りに対応する余地が十分にありましたので、弾きやすさを損なうこともなく、帰って音に張りが出てとてもいい感じに!

オーナー様も納得して頂けたようです。

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